大阪で暮らしはじめてもうすぐ1年になる。毎夜毎夜町へ繰り出すような生活からはほど遠いけれども、休日にはなんとなく出かけたりもするわけで、でも大阪という都市のなかに点在する町々について何か手ごたえをもってわかっているという感覚が全くないんだよなー。

たぶんそれはそれぞれの町を、無意識のうちに東京にある町に仮託して理解しようとしているからなんだと思う。梅田が新宿に似ている部分だとか、何か手がかりを見つけようと。本当はそれではいけんくて、もっと何の先入観もなく町を歩いて好きな場所を見つけなくてはいけないんだ。

ちょうど僕が東京を離れるころに発売されたのがサニーデイ・サービスの「東京」で、だからというか、何のこだわりもなく僕の好きな部分の東京を言い当ててくれたような気がしてずいぶん聴いた。ジャケットの桜はまちがいなく僕の好きな東京だったから。

とりあえず今年は大阪で桜を見にいこう。桜の季節は住む町を好きにさせてくれるような気がする。まずはオーソドックスに大阪城公園にいってみよう。

妻へのバースデーケーキをだいじに手に抱えて、地下鉄のなかでそんなことを考えた。

東京

東京