ドイツアニメーションフィルム展覧会

梅田スカイビルの40F展望台で開催されている、「ドイツアニメーションフィルム展覧会」に行ってきました。大阪ヨーロッパ映画祭の特集のひとつ。すべて短編でプログラムAが7本、Bが8本、どちらも約1時間の上映です。あんまり広くないスペースでDVDのプロジェクター上映を見る形式だったんだけど、そんなに観る機会のある作品じゃなさそうだし、それに作品に使用された人形やセットなどの展示もあって、これらぜんぶが展望台の観覧料700円のみで観られるわけです。
http://www.oeff.jp/program/german_animation_exhibition_jp.php#
最初にプログラムAを観たところ、予想よりもだいぶ暗いというか……。人形の造型やセットにフリークス的な要素があったりして、べつにこういうの観たいわけじゃないんだよなあと少々鼻白む。面白かったのは「囚われの女王」かな。手足の細い女性の人形と金属的なガジェットたち、それを焦点を絞りめにしたカメラで静かに流れるようにアニメーションにした作品。そいでプログラムBのが圧倒的に楽しい! いちばんのお気に入りはJochen Kuhnの「 RECENTLY 2(Neulich 2)」。油彩のような暗い色彩のペインティングをゆるやかにアニメーションにしたもの。話じたいはべつに明るくないんだけど(ある男が病院に行って新開発の検査機器で診療してもらうと……)、現代社会の不条理さをまじめに考えすぎた結果つい明るくなってしまうというか。要するにヘン。
梅田スカイビルの展望台に登ったのはちなみに今回が初めて。原広司設計のこのビルの竣工は1993年、つまりバブル景気が終わる頃で、コンセプト・外観ともに時代の空気を吸い込んだ建築物といっていいでしょう。でも、決して古びているようにも感じないのは、設計者の力量なのか時代がひとめぐりしてしまったせいなのか。ところでバブル経済って渦中のそのときすでにバブルって呼んでたんだっけ? ふつうに考えれば弾けた後にしか“バブル”って用語は出てこないような気もするけど。なんていう名称だったか思い出せなくて、バブルも遠くなりにけり。