ちょっと眠たい土曜日

朝起きたら、下くちびるがすこし腫れ上がっていた。寝ているあいだに噛んでいたらしい。わりとストレスがたまっているのかもしれない。
しかしそれはそれ、すくなくとも今日は休みだ。22日ってことは四天王寺の市やってるじゃんと昼前から出かけてみることにした。そしたら思いがけず聖霊会舞楽大法要というのをやっていて、しばらく見物をすることに。聖徳太子の命日に行われるこの法要では笙や太鼓の音にあわせて舞が行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されているとのこと。亀の池を渡る橋の上にセッティングされた舞台の四隅には、曼珠沙華に見立てた、放射状に飾りが飛び出ている巨大な赤い珠のオブジェが設置されている。胡蝶や迦陵頻迦に扮したこどもたちの舞いや、ヘンな面をつけた舞人が踊る「蘇利古」という舞楽など、なかなか見どころあっておもしろかったです。ちなみに、「徒然草」にも、この四天王寺の舞楽のことは出てくるらしい。

「何事も、辺土は賤しく、かたくななれども、天王寺の舞楽のみ都に恥ぢず」と云ふ。天王寺の伶人の申し侍りしは、「当寺の楽は、よく図を調べ合はせて、ものの音のめでたく調り侍る事、外よりもすぐれたり。故は、太子の御時の図、今に侍るを博士とす。いはゆる六時堂の前の鐘なり。その声、黄鐘調の最中なり。寒・暑に随ひて上り・下りあるべき故に、二月涅槃会より聖霊会までの中間を指南とす。秘蔵の事なり。この一調子をもちて、いづれの声をも調へ侍るなり」と申しき。
(「徒然草」二百二十段)

市で買ったのは、合わせ蓋に牛がかたどられた小さな香合。牛といってもホルスタイン系の模様が入っていて、出自不明な怪しさ可愛さが気に入ったのです。
なんか今週は夫婦ともせわしなくて、慰労会ということで近所の店で夕食。帰ってから妻が録画していた「サマリア」を観ました。売春する女子高生とその片棒をかつぐ友だち。売ってた子が死んじゃってもう1人の子が贖罪のためにはじめる売らないセックス。それを知ってしまったパパの怒りと悲しみとバイオレンス。しかし売ってた子の精神的な欠落と、父娘に流れる近親相姦的な空気を感じるに、売ってた子とパパがセックスしてたらもんだいかいけつだったのでは?と思われました。その後のさまざまな悲劇が起こる前に。正直後半の田舎まわりはちょっとつらかった……、解釈をせっつく意味ありげな小道具は気に食わないよねえ。でも、サツマイモくれて宿を貸してくれるおじいちゃんはよかったな。おじいちゃんがトップ賞だ。

サマリア [DVD]

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