たまには妻の本を読んでみよう

「私たちのお弁当」て、すごいおもしろいね。クウネルの「エブリデイ・マイ弁当」という連載をまとめたこの本、おしゃれスローさんたちの弁当じまんかと思いきや、人が成長することで手に入れられる自由にあふれていて気持ちがよい。自分の弁当を自分で作るというのは限られた特権であり,そんな喜び,輝きがそこかしこに満ちているのです。

「うん……だけどオレ、年とるのって嫌いじゃないよ」
「年とともに自由になるって、わたしの友人も言ってました」
成田美名子エイリアン通りasin:459288194X

そんなふうに、自分で自分をコントロールできる自由を手に入れた象徴としてのマイ弁当。自由におぼれることなく、それを適切に行使するツールとしてのマイ弁当。いいなー!
ちなみに僕がマイ弁当をよく作っていたのは大学生のころ。ふつうに残り物や卵焼きをおかずに持っていくことも多かったけど、いちばん気に入ってたのは鶏肉のハニーマスタードサンド。粗くたたいた鶏肉を細かく砕いたクルミと炒めて塩こしょう、セロリorタマネギのみじん切りと少なめのマヨネーズで和える。それでマイユのマスタード+はちみつをパンに塗ってはさんで食べる。マスタードはケチって変なやつを使ってはいけない。これだけで昼ご飯としては十分なボリュームです。朝起きて作って映画館に出かけて、初回上映を観終わってから食べるこのサンドイッチは、まちがいなく自由の味がした気がします(貧乏なときはフレンチトーストな)。

私たちのお弁当 (クウネルの本)

私たちのお弁当 (クウネルの本)