京都へ行く

まず妻が行きたがっていた恵文社一乗寺店生活館へ。その名のとおり生活雑貨や衣食住などの暮らしに関する出版物を置いてあるスペースなのだった。元からある書店スペースとつながっているので、正直なところとくに目新しいかんじはない。秋田昌美「わたしの菜食生活」のみ購入。それから近所の東風というパン屋でパン購入。

わたしの菜食生活

わたしの菜食生活


今出川通りのル・プチ・メックに行って昼ご飯を食べる。京都であてのないぶらぶら暮らしをしていたころ、この店でベーコンエピとパン・オ・ショコラ、それからカフェオレを頼んでゆっくり過ごすのが僕のささやかな贅沢のひとつだった。それ以来いろんな店のベーコンエピを食べてきたけど、この店以上のものをまだ食べたことがない(次点は反則ぎみだけど大阪・本町のフール・ドゥ・アッシュの生ハムのエピ)。でも、もう5〜6年は前のことだし、記憶のなかで美化されすぎて、実際に食べたらがっかりするかもなあ……なんて思ってたんだけど、これが記憶よりさらにおいしかったのでびっくりした。
満足したところで東福寺山内の芬陀院、光明院へ庭園を観に行って、ここでも夢のような時間を過ごした。先日までの長雨、それから今日も恵文社に行っていた頃合ににわか雨がふったせいで、庭の苔がいい具合に鮮やかだったという幸運にもめぐまれたんだけど、観るだけで、耳をすませるだけで、あっというまに時間が過ぎていく。何も考えずに、この場所にいるというだけで感じられる絶対的な幸福感。まったく飽きがくる気配もなかったけれど、閉門の時間が近づいてきたので名残りをおしみつつ退去。ちなみに、芬陀院は雪舟の作庭と伝えられていて、光明院は重森三玲の作庭。重森三玲の庭をもっともっと見なくちゃあ!という気ががぜん高まってきた。
錦市場で漬物と佃煮を買って帰宅。