名前になやむ火曜日

考えていたこどもの名前が、どうも姓名判断によるとすっごくよくないらしい。「交通事故で死ぬ」とか妙に具体的なのな。おいおい、近代以前にもおなじ画数の人はいただろうに、どうやって交通事故で死んだんだよ?なんて、基本的なつっこみを入れたいところではある。
そもそも姓名判断に限らず、日本の占いってなんであそこまで冷酷簡潔に不幸を予言するのか、ふしぎだよなー。たとえば女性誌の星占いページだったら「マネー運ダウンでよけいな買物は禁物!」ぐらいのところが、おみくじだの六白金星だのによると「借金に苦しむ」である。超こえー!
こんなふうなので姓名判断というのもてんで気にしてなかったのですが、試しもせずにアホくさーと却下するのもなんなので、Googleで姓名判断サイトを探してじぶんの名前を占ってみました。で、なによこれは? どうも当てはまってないんじゃ……と思われる部分が太字です。

丸顔でニコニコ社交上手、話術巧みで友人や親を大切にします。見栄っぱりで金づかいは荒いほうです。話し上手で人に喜びを与えます。詩小説、絵、演劇が得意でやりくり上手、女性は結婚後幸福になるでしょう。神経が細かく直感力が鋭く偏屈強情な直情型です。頭はよいが金運が弱く配偶者や実子との縁も薄く病難周囲にあるでしょう。手先器用、美的感覚生かせる。職場、職種を選べば成功します。家系は頭良く名誉職につきピンチに強く男性を中心に繁栄する家系です。くそまじめで誠実、金銭管理が上手く家庭円満ですが大財を持つと道楽して離婚もあります。極端で黙っているのでおとなしい人かと思うと人や場所が変わるとまるで人が変わったようにぺらぺらとしゃべる人が多く極端から極端へはしります。また競輪、競馬、競艇、株、マージャン、パチンコなどの投機性の強い趣味の持ち主で一度悪い楽しみを覚えるとせっかくの蓄財も使い果たして一家が悲惨な状態に追い込まれることがありますので注意してください。身内より他人に気前良いでしょう。しかし着実に努力してすすめば吉となる運です。健康面では、手足の病気ケガに注意してください。開運法は、自分のやりたいこと、好きなことを徹底してやることが大切です。

やっぱアホくさーと声を大にしていうときます。
誤解のないように説明しておくけど、僕はけっして姓名判断というものが非科学的(疑似科学的)であるという理由だけで、アホかと思っているわけではありません。だって厳密に考えれば、願いをこめて名づけをするっていうのも、名前が人生に影響すると考えてる点では似たり寄ったりだもんね。名前から疑似科学的な要素をすっかり抜いてしまえば、残るものはたんなる識別に用いる記号という役割でしかなくって、そんな荒涼とした世界もあまり気が進まない。そうじゃなくて、両親(場合によってはその親族や友人)以外の、実際に生まれてくるこどもを祝福する気持ちなんてかけらもない、むしろそのこどもが生まれることすら知らない赤の他人の占い師が、名前をつけることにかかわるのが気持ち悪いようと思うんだけど、こういうのっておかしいんだろうか?
ちなみに、かちょうさんのリアルネームは賢治である。かちょうさんがじぶんの名前を好きなのは、画数のよしあしなんかとは関係なく、まだ若い父母がこんなふうに育ってほしいと込めただろう思いをそこに感じるからだ。申し訳ないことに「賢」も「治」も全うできていないし、あやかった詩人兼童話作家にもほど遠い生き方しかできていないけどね! 生まれてくるまえからああでもないこうでもないと、じぶんたちで悩み考えた名前をつけてくれたことのほうが、最高に画数が整った名前をつけてくれるよりも、どれだけうれしいことだろうと僕は思うんだけどなー。どうしよう?