碧梧桐とうさぎや

守安正の「日本名菓辞典」(東京堂出版)には、うさぎやはどら焼きではなくて喜作最中で掲載されている。これも買ってくりゃよかったなあ。そして目に留まったのがつぎの一文。

二代目喜作は碧梧桐の門人で、良品に生きようか、大衆品に生きようかと苦しみながら遂に良品製造に専心した。

そういえば奈良・湖月(ここの巨大な三笠焼きもいつか食べねばならない)の初代も河東碧梧桐の門人だったと読んだことがある。このころの和菓子屋の旦那は句のひとつもひねらなくてはつとまらなかったと考えるのが自然かもしれないけれど、碧梧桐もけっこうスイーツ好きだったのかもしれない。虚子を火に、碧梧桐を氷に喩えて子規が評したように、わりと碧梧桐にはクールなイメージを持ってたので意外だなー。余談ですが虚子×碧梧桐とかあったら読みたいよね。