堂島ロール

大阪以外の人も堂島ロールって知ってるのかな? Mon chouchouっていう店の看板商品のロールケーキで、休日に渡辺橋を通るといつも行列ができてるんだけど、そういえば食べたことないよと妻に云ってたら、昨日買ってきてくれたのでした(妻は何度か食べたことあるらしい)。画像はちょっと大げさだけど、実際これに近いくらいに大量の生クリームがスポンジ生地に包まれていて、たしかにうまかったっす。ひとりで三分の二くらい食べたっす。もしゃもしゃ。で、思ったのは、この堂島ロールはすぐれて現代日本的なお菓子なのではないか?ということです。
最近ではスイーツ(笑)という表現もあるように、甘い菓子なんてのはオンナコドモの食べるものと考える向きはいまだ多い。すごいジャンル差別である。こういう偏見に対して一部のスイーツイーターたちは、老舗や舶来の伝統を援用したりして、それが成熟した大人の嗜みであることを認知してもらおうとしてきた。でも、堂島ロールはそういう努力とは無縁の場所にいるんじゃないのかなー。そこにあるのは、「生クリームがどーんとあったらいいなー」「スポンジはふかふかでさー」「ベリーとか栗とかよけいな具なんていらないよ」という、徹底的な幼児性の肯定である。もちろん、その欲求を満足させるだけの、高いレベルでの素材と製法の洗練というものも同時に存在するわけで、そのアンバランスさがなおさら現代日本でしかありえない感じ。
つまり、日本のアニメーション、あるいは範囲を広げてオタク文化的な精神のありようというのは、すでにいたるところで顕在化してるんじゃないかという話なんですけど。じっさい、外国人に堂島ロール食べさせたら、わりと喜ぶんじゃないかと睨んでいるですが、どうでしょう。