注目している日記

ウェブ上で読むのを楽しみにしている日記やウェブログは数多くあれど、最近注目している日記といえば、なんといってもみちよ先生(仮名)の日記である。保育園に通っている娘の連絡帳に、担当の保育士さんが毎日書いてくれている日記のことで、相当に熱い。みちよ先生(仮名)の日記は、なにしろ毎日更新されるという点がすばらしい。しかも内容だって、妻曰く「ほんと、読むと一日のつかれがふっとぶよ」というくらいにおもしろいのである。
みちよ先生(仮名)の日記はかなり下手な字でつづられている。本人の外見(金髪)とおなじく元ギャルの香りがほのかに漂っていて、手書きなのに絵文字を多用するなど、履歴書とか姑への手紙を書くにはあまり向かないタイプの筆跡である。僕も当初はなんだこれと思ったんですけど、いまではその抜群のセンスに夢中である。
みちよ先生(仮名)の日記で特筆すべき点は、せいぜい150字かそこらの文章のなかで、園でのこどもの様子を知らせるという本来の目的をクリアしつつ、どこかすこしだけオリジナルな一節をかならず入れてくるところである。散歩のときにツツジをなでなでしてバイバイしたことや、中国人観光客に「かわいい」と連発されて固まったことや、橋の上からカメさんを呼んだらカメさんが現れたことや、遊んでいた風船が割れても動じることなく遊びつづけていたことや、そういうどうでもいいエピソードを生き生きと目の前に再現しながら、そのなかに僕や妻でさえうまくことばにできていないような、娘のエッセンスを描いているところがすごいと思う。
そのままの文章の転載はさすがにためらわれるので、あまりうまく伝わらないかもしれないけれど、その種のフックのある文章を毎日書けるというのは、どう考えても才能である。うらやましい。おもしろい文章を書く人というのは、どこに潜んでいるかわからないものですね。