ジュンク堂にて

篤姫」を観ていると、勝海舟のべらんめえ調の江戸っ子ぶりがどうもおもしろすぎて、いつも妻と半笑いになっている。僕は勝海舟という人物について、日本史の教科書的なこと以上にはあまりよく知らない(幕末ものの小説とかあんまり読んでないんすよ……)。旗本というからには江戸の生まれ育ちである確率は高いのだろうけど、仮にも武士階級の人間があんなかんじでしゃべってたのかしらというのがこの数ヶ月の疑問であったため、「新訂 海舟座談」を読みはじめたところ、まじで江戸弁ばりばりていうか、軽みのある物言いでおもしろいなー。このまえ「戊辰物語」を読んだときもとっても感心したけれど、明治期の東京人の聞き書きの文章というのは、なんであんなにツヤがあるんだろう。

新訂 海舟座談 (岩波文庫)

新訂 海舟座談 (岩波文庫)


堂島のジュンク堂では僕の買い物は以上ほんの10分かそこら、あとはひたすら絵本売り場から動こうとしない娘のおつきあい。とちゅうで後ろのほうから若い男女のふたり連れの話し声が聞こえてきました。ふつうに話してる恋人またはその手前くらいのふたりのようだったのに、女の子が、これ、この絵本小学生くらいに読んだときめっちゃ感動してんやんかと云ったあたりから雲行きがおかしくなってきた。中身を読んでいるのか、しばらくだまったのち突然激昂しはじめる男の子。あんな、いじめっていうのはこんな単純に解決するもんとぜったいちゃうねん。心に残った傷は一生消えへんもんやで。こういう考えかたはな、ゆってみれば引きこもりもそのままでええやんみたいな話で、しょせんは強いもんの考えかたやねん。女の子が無言のままなのは呆気にとられているのか引きまくっているのか、そもそもいったい何の絵本がそこまで彼をエキサイトさせたのか何としても知りたかったけれど、どうもうまくチラ見することができないままわからず。残念である。
というわけで今日の階段は堂島アバンザ。
Dojima Avanza 2