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ちかごろ喫緊のもんだい

なんといっても娘の寝かしつけであろう。妻が深く悩んでいる。なぜ娘は添い寝してから1時間も2時間もキャハー☆て遊ばないと眠らないのか。僕も休日や、たまに平日早く帰ると、寝かしつけに参戦することになる。おかあさんは甘やかしすぎなんだよ。もっとびしっと接すればおとなしく眠りにつくもんなんだよ。きのうは大口を叩いて和室にこもり、1時間あまり経過してようやくすーかすーか眠った娘を置いて出てきたら、妻はおつかれさまと口で云いながら、ふふんどーよという態度をあらわにしていた。ひどい。
そんなわけで、トライ&エラーを繰り返しつつ、娘の寝かしつけの必勝パターンの開発がわれわれの急務となっている。きのうは、絵本を読んでいてもまったく眠る気配がなく、もっかい!とアンコールを求められつづけ、絵本を持つ手がつかれてきたので、部屋を真っ暗にしてむかしばなしを語ってみることにした。
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。……桃太郎を話しはじめてみたものの、よく考えると桃太郎が生まれてからのストーリーは非常にあいまいにしかおぼえていないのだった。猿と犬のきびだんごをめぐる争いというオリジナルエピソードや、キジが想いをよせる孔雀というオリジナルキャラまで勝手にわいてきて、鬼が島へわたったあとは酒宴をもうけて鬼を酔いつぶして成敗したのですが、それなんかべつの話が混じってると思った。
しかし気づいたのですが、じぶんが話すものがたりをいっしょうけんめい聴いてくれるひとがいるというのは、なかなか得がたい体験かもしれない。たまに合いの手として「あんぱんまーん!」「ばいきんまーん!」という関係ないシャウトが入るのに目をつぶれば、たいへん気持ちのよいものである。とはいえ、この気持ちよさにおぼれていくと、飲み屋でじぶんだけ気持ちよくなって部下にながながとじぶん語りをかますおっさんの一丁上がりという事態にもなりかねないという思いもあり、心はちぢに乱れるのであった。