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春がくる

昨晩帰宅すると、テーブルの上に「GINZA」が置いてあった。へーめずらしい、ファッション雑誌なんて買っちゃって。まあね、この季節は1冊くらいながめてみたくなるもんなのよ。そうだよねー、春先になって、洋服を買ってそれだけでうきうきするような気分がなくなったら、人として終わりかけてるよね……。というようなことを話したら、おとうさんいいこと云った!と、いつになくお褒めのことばをいただきました。
ほんとにさ、いま思うとふしぎなんだけど、一枚のシャツを買うだけでじぶんが生まれ変わったような新鮮なきぶんになれるというのは、いったいあれなんだったんだろうね? 服とか靴とか帽子とか、そういったもの以外ではなかなかあの感覚は得られない。新しいサファリハットをかぶっただけで、ちょっと見かけない色のギンガムのシャツを着るだけで、やわらかい光の春の海辺への直行列車に乗り込んだようなきもちになれた。魔法ですね。音楽でも、マンガでも、小説でも、批評でも、そこにはたどりつけなかったように思う。
38歳のおっさんはすでに魔法がとけて、まあ、あんまり若づくりに見られてもしゃくだからな……などというしょうもない基準で、へんてつもない洋服をたまに買うのみです。くやしいのう