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準備不足(性的な意味で)

このまえね、娘と風呂に入ってたんですよ。そしたら、からだ洗ってるあいだじゅうずっと、僕の陰部をまじまじと見てるわけ。うわ、このひと見てる。見てるよー。おーい。めんどくさいから気づいてないふりしてるだけで、めっちゃばれてますよそれ。暑い季節の女の子というのは、こういう心持ちになるものであろうか。ごしごししゅっしゅが終わったのでお風呂にどぼーん。ゆらゆら。川藻のように揺らめく僕の陰部をひきつづき凝視する娘。会話を試みるも、なま返事ばかりの娘がとうとう口を開きました。
「おとうさん、それなーに?」
あー…。ごめん、おとうさんちょっと準備不足。パスさせてもらいたい。「これねー。なんだろうねこれ? おとうさんもよく知らないんだけど……」、言い終わらないうちに娘がつぶやきました。「ちん○」。えええ! いまなんてゆうた? 娘は無表情なままでつぶやく。ちん○。
知ってるのにあえて訊いてみるなんて、どこでそんな会話テクを学んだのであろうか。それより、ちん○って、どこでおぼえたのであろうか。いろいろ不穏な想像をあたまにめぐらせつつ、おとうさんはこう答えるしかできなかった。そう、ちん○正解。あんまり外でちん○なんて口にしないほうがいいよと云おうかとも思ったけれど、なぜいけないかを説明するのは骨が折れる。理由なしにだめというのはフェアでなかろうと、思いとどまった次第。そして、もし娘に「オオイヌノフグリ」ってどういう意味かと訊かれたら、このときばかりは迷うことなく「おっきい犬のきんたま」と即答しなければならないというのは、僕がマンガから得た重要な教訓のひとつです。