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朗読プレイ

きょうは、身近にいた変態についてみなさんにお知らせしたい。A君は30代前半の未婚男子であるが,以前は朗読プレイを愛好していたという。
「朗読プレイ?」
「ええ、あれのときに女の子に声出して本を読んでもらうんです」
「えーと、それは気持ちいいのかな……?」
「めっちゃいいっすよ。本の内容について新しい発見もありますし」
A君によると、読んでもらう本にもやはり向き不向きがあるという。まず、じぶんがすでに読んだことのある本でないとリラックスできない。初読の本はプレイには負荷がかかりすぎるそうである。そして、なんといってもベストは断章形式の本だという。
マルクス・アウレリウスの『自省録』なんてサイコーですね」
「『論理哲学論考』は?」
「あー。そのころまだ岩波文庫出てなかったんすよ。ウニベルシタス版はちょっと重くて具合わるいですからね。基本は文庫本か、ちいさめのソフトカバーやないとつらいです」
「じゃあバルトもむずかしい?」
「そうっすね。やっぱりええのんはみすずのハードカバーで出てますからね。『明るい部屋』くらいの薄さやったらなんとかなるんですけど……」
あと、日本の古典文学もおすすめらしい。授業中っぽい雰囲気になってよいそうです。なんの授業だそれは。
「そういう意味では、いちおしは『平家物語』ですね」
「へー。与一、鏑を取ってつがひ、よっぴいてひょうど放つ…らめぇぇぇぇ、放っちゃらめぇぇぇぇとかそういうかんじ?」
「なにエロいこというてるんすか、かちょうさん」
「いや、きみのほうがエロいよ」
小説もいろいろ試したけど、あんまりよくないらしいです。「流れがあると、なかなかタイミング合わせにくいですからね」とのこと。あと、朗読プレイの最大のデメリットは、体位が限られることだそうです。
「でもさ、相手の子はいやがったりせえへんの?」
「うーん、すくなくともそれでケンカになったりしたことはないですけどね。なんていうんすかね、一方的にはならへんように、僕も口でしてもらいながら本読んだりとか、交代でやってましたからね。そのへんはわりと気ぃつかってましたよ」
「気づかいかー」
「そういう対称性って、だいじでしょ」
「ふーん。リズ・フェアの『Chopsticks』みたいに思ってないといいけど」
「なんですか、それ?」
「聴いたことない? いっぺん探してみ」
He said he liked to do it backwards.
I said, "That's just fine with me,
That way we can fuck and watch TV."