谷町5〜玉造〜寺町〜島之内

昨日観た「花つみ日記」で映ってた場所に行ってみようかと、妻と出かける。しかし玉造の教会(大阪カテドラル聖マリア大聖堂)も大阪女学院の建物も、映画に登場した建物は戦災などのせいで現存していませんでした。残念。ゆいいつ生國魂神社の北門のとこで、「ここかなあ……?」と確認。
ついでに古書会館の即売会と一色文庫に寄り道。中筋修「都住創物語」(住まいの図書館出版局)、日本アニメーション協会編「12人の作家によるアニメーションフィルムの作り方」(主婦と生活社)、宮本順三「ぼくは豆玩」(山三化学工業)、宇佐美辰一「きつねうどん口伝」(ちくま文庫)、高峰秀子「人情話 松太郎」(ちくま文庫)、檀晴子「檀流クッキング入門日記」(集英社文庫)。
部屋を買うためにいろいろ物件情報を収集していたとき、中古で都住創うつぼという物件があったことをおぼえている。部屋の間取が一風変わった物件だったからだ。ただそのときは都住創というのは普通のディベロッパーなんだろうと思ってたんだけど、じつは大阪市内で70年代中盤からコーポラティブハウスを何棟もつくってきた会らしい。「都住創物語」は、都住創が1987年に建築学会賞を受賞するまでの中間報告としてまとめられた本。
ここ数年は高層マンションによる住居の都心回帰、それに間取もある程度自由に変更できる物件が増えているので、都市で自分の満足できるすみかをつくることもそれほど難しいことじゃなくなっている。だけどそこに欠けぎみなのは、地縁によるコミュニティをどうやって形成するかという視点だと思う(そんなんいらんわという人も多いとは思うけど)。都住創が入居メンバーたちと話し合いながらコーポラティブハウスをつくっていく過程は、そのままコミュニティ形成の足どりになっていて、その楽しそうな雰囲気は単純にうらやましい。各棟の入居メンバーが協力して学童保育所をつくってしまったりね。ちなみに1棟めの参加者には上岡龍太郎がいたり、1984年の都住創センター完成イベントにはローザ・ルクセンブルグがライブやってたりと、なかなかそんな豆知識もおもしろい1冊。
僕は結局ふつうの新築分譲マンションを買ってしまって、それはそれでとても満足しているんだけど、なんかこういうやり方で住処をつくるのもいいよな〜て、もいちど不動産購入したい気分になりました。