10月はじめの京都

京都・大徳寺の龍源院へ。
龍源院には4つの庭園があります。室町時代に作庭され、杉苔に満たされた龍吟庭。方丈前庭、白砂に楕円形の苔の亀島が浮かぶ一枝坦。書院南の軒先にあるこ沱庭。それから方丈と庫裏とのあいだのほんの小さな空間に設けられた東滴壺。
東滴壺は最も小さな枯山水と評されることも多いそうだけど、やっぱりこれがいちばんよかったな。“癒し”の空間として枯山水を利用するのもいいけどさ、やっぱり緊張するくらいの美しさやロジックっていうのも大事じゃないの。がんばればマンションのベランダでも作れそうな小さな庭ですけど、そういう点でひじょうによかったです。

門前の松屋藤兵衛で松風を買って、車のなかでぱくぱく食べる。味噌、白胡麻、大徳寺納豆を塗って焼いたカステラのような菓子。と書くと珍味のようですが、じっさい食べると玄妙にうまいです。

それからあるカフェに行って昼食をとったのですが、これがちょっと失敗でした。満席の店内は狭くてベビーカーでは動きがとりにくく、注文してから食事が出てくるまでに30分くらいかかってしまって、すこし苛々しはじめる。ようやく運ばれてくるころには、娘がぐずって抱っこしてなくてはいけない。交代で抱っこして急いで食べる……。もちろん、これは僕たちが店の選択をまちがえたわけで(お店の方、ごめんなさい)、京都によくある、素人っぽいスローなカフェにはしばらく行けないなあと反省しました。
百万遍の進々堂に行って、カレーライスセットを頼んで仕切り直し。ようやく人心地ついて、いろいろと雑談。7年前、初めて妻と会った日にも、この店でお茶をしたんでした。あとイタリア会館のサンシャイン・カフェ、日仏会館のル・フジタにもお茶のはしごをしたんだけど、どっちも移転してもう百万遍にはないらしいですね。
家に着いたら午後7時。なんか行動量のわりに時間くったし、昼食のことではちょっとへこむけど、やっぱり外に出るのは楽しいよ。