うどんの話にたどりつけなかった話

育ちが三重県四日市という話をすると、「じゃあ初詣は伊勢神宮に行ったりするの?」なんて言われたりする。行きません。それけっこう遠い。伊勢神宮なんて小学生のときに一度行ったきりです。ちなみにそのとき、伊勢神宮には内宮と外宮があるということを初めて知って、そして周りのおとなたちが2つの神宮で伊勢神宮が構成されていることをまったく当たり前のこととして振る舞うのに、軽く衝撃を受けた覚えがあります。今でも2つの神宮があることの意味がよくわからないというか、前衛芸術としか思えない。
だってキャバクラ行って、「うち内宮と外宮があるんですけど、どっちにします?」とか言われても困るでしょう? それどういう意味? 「いや、内宮のほうにはおかげ横丁がありまして」、本質については何も語られておらず、事態は混迷を深めるばかりである。
話がずれた。最近知名度が上がっているのか、「じゃあふだん伊勢うどん食べてたの?」と訊かれることもありますね。食べません。あんなうどん界の鬼っ子。縦に長い三重県のなかで、あれはもともと本当に伊勢ローカルな食事だったのである。たぶん半径10キロメートルくらいの。というのはすこし大げさにしても、それぐらい狭いうどんの話をしようと思っていたのですが、今日は眠くなってきたので布団に入ります。よいうどんの夢が見られますように。この項つづく。