平気でうそをつけないひとたち

このごろ娘がうそをつくようになりました。うそというか、知ったかぶりなんですけど、これがたいへんおもしろい。○○は温泉好き? ナガネギマンて知ってるー? こんなふうに娘がよくわからない質問をすると、すき、と小声でこたえたり、うんうんと小さくうなずいたりするのだけど、そのキョドりぐあいが特筆に値する。けして僕と目を合わさず、うつむいたり、目が泳いでたり、ほほえましいにもほどがある。
そしてふとわが身を振り返れば、僕もじぶんの両親には数えきれぬくらいのうそをついてきたわけです。薄々わかっていたとはいえ、父母はじぶんのうそに100パーセント気づいていたにちがいないと思い至ると、恥ずかしくて遁去したくもなるというものですが、こういう恥辱に耐えしのぶのも人の親の責務と心得て、がまんしていきたいと思います。