夫婦げんか

「子はかすがいというけれど」と妻は云った。「うちはそうでもないかもねえ」。
そう、たしかに僕と妻がけんかをするのは、もっぱら娘がかかわる事柄に関してである。ごましお、あげすぎとちゃうか! こんなことを大声で真剣に主張しているのだから、情けなくて涙が出てくるというものである。きょうは、ごはんを食べるあいだもアンパンマンのTV番組を観たがる娘のことで云い合いになりました。会話中の“アンパンマン”という単語に敏感に反応する娘をちらと見て、ちょっと待って、アンパンマンのことは隠語で呼ぼうよ、そう、これからは“木村屋”ね、と大まじめな顔をして云った妻も、かなり愚かしいといえよう。
娘はあいかわらずアンパンマンに夢中です。ちょっと気を逸らせようよ、ということで「グッドモーニング ミッキー」の録画を与えてみたら、そのあいだはわりと喜んで観てたんですけど、その後、寝かしつけに入るとはんぶん寝言で、みっきー、みっきー、あんぱんまーん、ばいきんまーん、みっきーまーん、となんか混じったヘンなものになっていました。
shiranfuri