奈義町現代美術館

朝の9時くらいに家を出て、ところどころ紅葉に染まった山々を眺めながらのんびり中国自動車道を西へ。最初の目的地の奈義町現代美術館には、ちょうど昼くらいに到着した。
この美術館は、太陽、月、大地と名付けられたスペースに、それぞれ荒川修作+マドリン・ギンズ、岡崎和郎、宮脇愛子の大きな造型のみが展示されています。同じ敷地内に図書館とレストランがあって、それらすべて磯崎新の設計。わーすごいじゃん、まずはそのレストランで昼食とろうよといったものの、結果としてはごくふつうのうどん定食を食べることになりました。いや、特産の味噌を買ったのでそれは楽しみですが。
気を取り直して入った美術館の展示はすばらしくおもしろかったです。とくに荒川修作+マドリン・ギンズの展示「奈義の龍安寺」に興奮しまくり。円筒型のスペースの内周に龍安寺の石庭やシーソーや鉄棒が地球の引力とは無関係な位置関係に配置されていて、しばらく妻とふたりでぎゃーぎゃー叫びながら遊びました。ものの不安定さ、精神の不自由さ、そしてそれらを分け隔てようとするヒトの貧弱な認識パターン。そんなものに対峙することがアートやミュージックの役割のひとつだとしたら、この展示はとてもシンプルなかたちで(苦笑を誘う幼児っぽさをおそれずに)それに成功しています。楽しかったー。詳細は省くけど、ほかの2氏の展示もおもしろいので必見。展示室に入ってから出てくるまでの数十分のあいだ、誰一人としてほかのお客さんがいなかったのもよかった。