春先のすこし忙しかった土曜日

ずいぶん前に注文して、もう忘れるころになってAmazonからCDが届いた。Brian McBrideの「When the Detail Lost its Freedom」。聴いてみるとなんか物足りないかんじ。体調とか部屋の明るさとか時間とか、そういう条件がツボにはまればぴたっとくる気もするんだけど。いやだけどこのタイトルはなかなか秀逸ではありませんか。それが日本人の精神性に合っているのかどうか、ミース・ファン・デル・ローエが好んで用いたことでも有名な「神は細部に宿る(God is in the details)」という言葉は一人歩きをはじめてしまっているような気がします。そこにちょいと冷や水をかけるようなつぶやきですね。

When the Detail Lost It's Freedom

When the Detail Lost It's Freedom


僕は音楽にしろ小説にしろタイトルが長いものがだいすきな傾向があって、結婚前に妻と作っていた筆談フリーペーパーでもそんなことを話したことがあります。そのとき僕が挙げたのは、金井美恵子の「夜になっても遊びつづけろ」、鴨居羊子「私は驢馬に乗って下着を売りにゆきたい」。妻が挙げたのはケネス・アンガーの「我が悪魔の兄弟の呪文」、パトリス・シェローの「愛する者よ、列車に乗れ」でした。たった5年かそこらしか経っていないのに、なんだか全く長いタイトルじゃないじゃんという気がしてしまうのは、ここ数年特に本のタイトルが全般的にどんどん長くなっているように感じているからかもしれません。
今日は午後からいくつか用事のために梅田に出かけてました。来月に弘前観光に行ってこようと考えていて、航空券とホテルの予約を済ませてきたのです。ただ、その旅行代理店がネットで見つけたものだったんだけど、ネット上での社名と実際に掲げている社名がちがっていて、さらに領収書記載の社名もよく見るとちがっていて、ちょっと不安になってきています。送られてくるチケットが木の葉じゃないといいけど。それからヨドバシに行って、紀伊國屋書店に行って(ふるほん文庫やさんのフェアは2月で終わっていた。残念。本町店は13日からだそうです)、grafのギャラリーに寄ってみる。夜のイベントのために一旦クローズするということで残念ながらお茶をする時間はなかったんだけど、イベントの主役の津村耕祐さん(FINAL HOME)がいました。わりとほったらかしにされてるかんじで、遊んだり折鶴作ったりしてましたよ! 僕たちも展示のポスターに落書きしたり折鶴折ったりしてきました。
帰って今日の夕食は“かきまぜ”という、ちらし寿司のようなもので1日遅れの桃の節句をお祝いしました。“かきまぜ”は、妻がある一連の小説に影響されて熱望していた徳島あたりの郷土料理のようです。これがかなりおいしくて、特に徳島にゆかりのない僕たちではあるけれど、我が家のスタンダードのひとつとさせていただくつもりです。