休みになると、すぐ生活のリズムが崩れてしまうんだよな。まったくしょうがない。

そんなわけで昼近くになって起き出して、大正駅近くのサンチマという店に出かける。ここしばらくフレンチブルドッグ・ストーカーと化している妻が、この店にもサンチくんという看板犬がいるらしいという情報を入手してきたのだ。

残念ながらサンチくんは今日はお休みで会えなかったのだけど、木津川とJRの高架にはさまれたロケーションは抜群だった。大阪の町の喧噪とは無縁の、エアポケットのような場所。

明日は生まれて初めて文楽を観に行く予定で、三省堂の「文楽ハンドブック 改訂版」をぱらぱらとめくっていると、「明治になって稲荷社の文楽座は松島に移転、松島の文楽座となる」という一節が目に入る。松島だって?すごい近所じゃないか、というわけでちょっと調べてみると、明治5年にそれまで難波神社内の稲荷社の境内にあった文楽座が移転した先が千代崎橋東詰。現在ではまったくそんなおもかげはないけれども、すこし親しみがわくじゃないですか。その後、御霊神社に移転するものの大正15年に焼失。昭和5年に四ツ橋に劇場ができるまで、道頓堀の弁天座などで公演をしていて、ちょうど谷崎潤一郎の「蓼食う虫」はこの間の時期になるわけだ。

こういうふうに調べてみると、わりと身近な場所でいろいろつながって楽しい。

文楽ハンドブック

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